家は「建てたら終わり」ではありません。上質で自分らしい住まいを存分に楽しみ、心豊かに暮らし続けたいものです。このコーナーでは、テラジマアーキテクツで家を建てた施主の皆さんに、自宅での毎日を彩るさまざまなアイデアをそれぞれの視点から紹介いただきます。
ティータイムを彩るコースター刺繍
ヨーロッパでは元来フランス刺繍が盛んで、お気に入りのナプキンにイニシャルを入れるようなことがあります。テーブル周りのファブリックに刺繍を施すというのは、そもそも親和性があるものなんです。
私もコースターに刺繍を施してみました。波の絵を描いた上に、さりげなく千鳥の刺繍を施しています。波間に飛び交う千鳥は、海辺に欠かすことのできない景観。この「波に千鳥」というモチーフは奈良時代から今日に至るまで、幅広く使われる調和のとれた模様のひとつです。のたりのたりとしたこの季節の海って素敵ですよね。春のティータイムにピッタリだと思いチョイスしました。
同じように、ティーコジーやナプキンにも波の模様を描いたアイテムを揃えることで、テーブルの統一感を図っています。
刺繍を加えることでオリジナルアイテムに変身
日本の歴史を振り返ると、刺繍というのは生活の中に当たり前にあるものでした。たとえばちょっと衣服が破れたときに、刺繍を施したりアップリケを縫い付けたり。さらに昔は和服なので、破れたらすぐに繕って着るようなことも多かったと思います。今は壊れたら新しいものを買えばいい時代です。何かを繕う文化が廃れ、日常から刺繍が遠くなっているように感じます。
しかし、既製品をオリジナルに変えるという意味で、普段使っているコースターなどに自分の手で刺繍を施してみる、というのは新たな価値の創出につながると思います。
モチーフは本当に何でもいいんです。迷ったら、草花や季節のもの、自然界のものからモチーフを考えるといいと思います。今の季節であれば、桜の花びら1枚でも素敵です。ワンポイントながら贅沢な印象を与えてくれます。
刺繍という手仕事の温かみは、テーブルにマッチします。おもてなしの心で来客時のティータイムに刺繍を施したアイテムを使うもよし、模様違いを家族で使うのもよし。ぜひ生活の彩りに、ワンポイント刺繍を試してみてください。
エッセンス
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