整理収納、途中で心が折れないコツ
前回は「片付けのしくみ」 づくりについて、区別・分類・住所へもどす、をお話ししましたが、今回は具体的に始める際のポイントをお伝えします。このときに多い質問が「整理収納のやる気はあるけど、どこから始めたらいいの!? 」というもの。おすすめは「思い出グッズが少ない場所」、たとえば靴箱です。
靴だと「履く/履かない」が明確にわかって区別しやすく、整理中に出てきたものを見てつい過去の思い出に浸ってしまう……といったことも比較的少ないはず(笑)。まずは、靴箱の整理収納を完了させて「私にもできた!」という成功体験を味わい、次へのモチベーションへつなげていただきたいと思います。つい、あっちもこっちも気になって複数の場所を一緒に進めようとしてしまいますが、そうなるといつまで経っても終わらず心が折れてしまうので、一か所を重点的に終わらせることが大切です。洗面台の下も、とりかかりやすい場所ですね。
次の場所は、家族のみなが使い、使用頻度の高いキッチンがおすすめ。キッチンには食品、食器、調理グッズなどモノがたくさんあるところですが、ここを乗り越えれば「スッキリして気持ちがいい」と感じる回数も多くなるので、暮らしの質が上がります。
家族を巻き込んで「いいね」体験をしてもらう
整理収納を終えた箇所は、きれいな状態をキープしていくために家族の協力も必要になってきますよね。そのために有効なのは、家族と一緒に整理収納に取り組んで「きれいな状態が心地よい」と感じてもらうことです。
例えば子どもの机の中。我が家では、文房具がバラバラに入っていて見つからず、分度器や定規を買い直したこともありましたが、文具を白色にそろえて1つに絞り、モノの住所を決めることで、娘にも「スッキリして気持ちいい」を共有してもらうことができました。それからは娘一人でその状態をキープしています。夫のクローゼットも同様です。いったん一緒に整理した後は、自分で服を分けて衣類を色のグラデーションに並べることが習慣となりました。
さらに新しく習慣づけをおこなったのが郵便物です。我が家には夫宛ての封筒がほぼ毎日届くので、それらをファイルに留めてしまっておき、「家に帰ったらまず手紙フォルダをチェックする」というクセをつけてもらいました。学校のプリント類も、もらってきたら即ファイリング。どちらも返信が必要であれば、できるだけその場で書いてしまい、できないときはファイルに付箋を目立つように貼って収納しておきます。
実は娘の中学校はペーパーレス化が進んでいて、お知らせがデータで届くことが多いのですが、忘れないようにしたいものについては敢えてプリントアウトすることもあります。ぜひ、ご自分に合った方法で整理収納、管理されてくださいね。
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次回は続編「美しく住むための掃除術 そうじに追われないコツ」。整理収納ができた部屋をよりストレスなく掃除する方法をご紹介します。
エッセンス
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