家は「建てたら終わり」ではありません。上質で自分らしい住まいを存分に楽しみ、心豊かに暮らし続けたいものです。このコーナーでは、テラジマアーキテクツで家を建てた施主であり、様々な分野のプロフェッショナルである皆さんに、自宅での毎日を彩るアイデアをそれぞれの視点から紹介いただきます。
掃除の場所と頻度を書き出して、計画をたてる
部屋をクリーンな状態に保って暮らしの質を上げていくためには、整理収納と適切な掃除の両方が大切です。掃除はモノが少ない方がスムーズにできるので、先に整理収納 を進めておけるといいですね。
とはいってもすぐには片付かないと思うので、掃除の計画も同時に行っていきましょう。掃除の計画とは、「どの場所をどのくらいの頻度で掃除すればよいか」を把握すること。これは家族構成やライフスタイル、家の間取りによっても変わってきます。我が家の場合は、水まわりを中心にスケジュールを設定しています。(下記画像のスケジュール表を参照)
一般的に12月に行う大掃除ですが、イベントや帰省などで忙しく、外も寒いですよね。そこで大掃除も分割して年間計画に落とし込んでいきます。この時、季節の影響も考慮して、ベランダ掃除は熱中症にならないよう夏は避け、落ち葉が舞い込みやすい10月とその半年後の4月に設定。エアコンはよく使うシーズンの翌月としてみました。
以前は、換気扇掃除というと、年に一度、油でべとべとになったファンを時間をかけて洗っていましたが、換気扇のファンは食洗機に入れて洗えることがわかり、汚れが酷くなる前に毎月食洗機で洗うようになりました。手洗いする必要がないので「こんなにカンタンでいいのかな」と思ったくらい(笑)。このように、ご自宅の設備構造をもとに、できるだけ手間をかけない方法を見つけていくことも、掃除に追われないコツだと思います。
ついでの「小そうじ 」を習慣化
掃除の計画表ができたら、毎日する掃除のハードルを下げる習慣を身につけられたらいかがでしょうか。汚れには大きく分けて、からぶきで落ちるもの、水拭きで落ちるもの、洗剤を使わないと落ちないもの、研磨によって落ちるもの、どうやっても汚れが落ちないもの、の5段階があって、後述するほど汚れが頑固になります。さらにどんな汚れも時間が経つほど落ちにくくなるので、生活動作の一環としてササっと「小そうじ」することを習慣にすると、気持ちと動作の面でラクになります。
例えば洗面台のシンクなら、夜の歯ブラシが終わったあとそのまま洗ってしまう。朝トイレに入ったら、ついでに便器だけ拭き掃除をしてしまう。お風呂は入り終わった時に排水口溝のゴミを取って、湯船を洗ってしまう。身体をふいたバスタオルで壁や湯船の水滴を拭き取ってしまうのもいいと思います。
私は家のところどころに100円ショップで買ったアルコール入りのウェットティッシュを配置して、汚れをこまめに拭き取るようにしています。※注)IHクッキングヒーターで揚げ物をしている時にできた油汚れは、揚げ物をしながら拭き取っていきます。ホットプレートでお好み焼きやたこ焼きをよくするダイニングテーブルも、油ハネは随時拭き取る。油汚れは冷えてからだと取るのに時間がかかるので、あとでまとめるより、ついでにこまめに掃除をしてしまう方が、手間なくきれいにすることがきます。
掃除が手慣れてきたら、汚れの種類によって拭き取る布を分けることもおすすめです。から拭きには綿フキン、水拭きには吸水フキン、洗剤用には紙由来のダスターを。水道の蛇口などステンレス製のものには「あっちこっちふきん」を使うとピカピカに輝きます。水拭きをした後は、そのままにしないで綿フキンで水分を拭きとっておくと、きれいな状態が長持ちしますよ。
今回、整理収納と掃除のコツをお伝えしましたが、どちらもうまく回っていくと、家がクリーンで心地よい空間となり、毎日の暮らしが快適に変わってきます。すると、モヤモヤした気持ちが減って家族の関係も円満になってくるように思います。家を建てることがゴールではなく、快適に暮らしていくことなのであれば、整理収納と掃除はゴールに近づくひとつの方法ではないでしょうか。
※注)ガスコンロの場合、アルコール入りウエットティッシュの使用はお控えください。引火の可能性があります。
エッセンス
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