家は「建てたら終わり」ではありません。上質で自分らしい住まいを存分に楽しみ、心豊かに暮らし続けたいものです。このコーナーでは、テラジマアーキテクツで家を建てた施主の皆さんに、自宅での毎日を彩るさまざまなアイデアをそれぞれの視点から紹介いただきます。
春の霞んだ桜風景を刺繍で表現
「三寒四温」とはよく言ったもので、寒い日や温かい日を繰り返しながらやってくる春という季節。寒さの中をじっと耐えてきた蕾がたくさんある枝々が、これからにぎやかになっていきます。なかでも待ち遠しかったのはソメイヨシノをはじめとする、桜です。家の中でも楽しめたら素敵ですね。私は3月の初めから4月末まで桜の作品を家に飾ります。それはまさにこの季節だけの楽しみでもあるのです。
今飾っているのは私の「春霞(はるがすみ)」という作品です。冬から春になると、遠く山間に霧やもやなどがかかって景色がかすんで見えることがあります。昔から和歌にも多く読まれている、まさに春らしい風景です。薄い衣のように霞がたなびき、山にも雲がかかった春の風景の水墨画を描いた上に、桜の刺繍を施しています。五弁桜は柄としてもよく使われますが、私は今までと違う桜のデザインにしたいと思い、円をモチーフに仕上げました。
桜の作品に春の草木を添えて
下からふわっと舞い上がるような、桜の花びら。色はグラデーションにすることでより立体的に見せています。桜というものは、日本人の心の奥底にある優しさの象徴のような気がします。それを表現したくなるんです。小学生の頃、私は木綿針に長い糸を垂らして学校に行きました。校庭に桜の花びらが散ると、一面に美しいピンクの絨毯ができて、その花びらを1枚1枚針で刺してネックレスをつくっていました。ものづくりは、こころの象徴です。そのころの記憶なども桜の作品をつくる際は思い出します。
みなさんも、春に桜の作品を飾ることで、自分自身の桜の原風景に出会えるのではないでしょうか。記憶の中にある桜に毎年出会う。それはとても素敵なことですね。桜の作品をお家で飾る際には、春の色を近くに添えてあげることをおすすめします。たとえば漆のお盆に春の緑を置いてみてください。萌えるような草木の色味が作品の近くにあると、桜の世界がより大きくなります。桜はみんなが喜ぶ、春の風景。お気に入りの作品を眺めながらお酒を楽しむ、家でのお花見をしてみてはいかかでしょうか。
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