家は「建てたら終わり」ではありません。上質で自分らしい住まいを存分に楽しみ、心豊かに暮らし続けたいものです。このコーナーでは、テラジマアーキテクツで家を建てた施主であり、様々な分野のプロフェッショナルである皆さんに、自宅での毎日を彩る丁寧な暮らしのアイデアをそれぞれの視点から紹介いただきます。
片付けられない、片付けてもすぐに散らかる、とお悩みの方へ。丁寧な暮らしの第一歩である片付けは「仕組み化」がポイントです! 片付けのプロである整理収納アドバイザーの小林さんに、片付けの基本を教えていただきました。
片付けのしくみは、「区別、分類、住所へもどす」が基本
「整理整頓された部屋を目指しているのに、なかなかスッキリした家にならない」「片付けを何から始めていいか分からない」というお悩みをよく聞きますが、まずは「片付けの仕組み」をつくることが必要です。最初は面倒ですが、片付けのコツをおさえていきましょう。
1.モノを区別する
家にあるものを「必要なもの」「不要なもの」「1年後に考えるもの」の3種類に区別します。「不要なもの」はこの一年使っておらず、今後一年以内に使う予定のないもの。捨ててしまっても良いですが、フリマアプリや中古品買い取り店で売るなど、リユースに貢献できて気持ちも軽やかになりますよね。
「1年後に考えるもの」は、今は使っていないけど手放す判断ができないものです。これらは箱にしまい、日付を記しておいて、一年後にまた見直します。一年経って使っていなければ、不要と判断して手放しましょう。ここでのポイントは、ストイックに断捨離をしなくても良いということ。整理収納はダイエットと同じで、一気にモノを減らしすぎるとリバウンドしやすいので、少しずつ整頓していくことを心がけましょう。
2.モノを分類する
「必要なもの」は、よく使うものとあまり使わないものに分け、よく使うものは手や目の届きやすい場所に収納します。我が家のキッチンの棚では、電子レンジや炊飯器を中央に、ワインセラーは下に、踏み台がないと手が届かない場所には時々しか使わないパスタマシンなどを収納しています。さらに、使う時間ごとにひとまとめにしておくのも良い方法。例えば、「朝食セット」としてカゴにオートミールやドライフルーツを入れておけば、朝にサッと取り出せます。
3.使ったモノは「住所」へ戻す
しまう場所が決まったら、それがモノの「住所」です。次回使ったら必ず戻すことで家が片付きます。モノにラベルを貼っておけば、住所が明確になり、元に戻す意識が高まるので効果的です。
■片付けのコツまとめ
整理整頓されたきれいな家を保つためには、「区別」「分類」「住所へ戻す」という3つの片付けの基本が大切です。これらが習慣になってくると、新しくものを買うときに「住所はどこにしようかな」「空いているスペースはあるかな」と想像することができ、モノを無限に買い足してしまうとう事態を避けることができるので、ぜひ少しずつ進めてみてくださいね。
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次回は続編「美しく住むための整理術2 きれいな部屋をキープするコツ」。家族みんなに協力してもらいやすくする方法をお伝えします。
More Life Lab.編集部から
注文住宅なら、モノに合わせた収納スペースを作れます。
憧れの「片付けが行き届いた家」、「モノが整然と並んだおしゃれな部屋」を実現するために、小林さまからは整理整頓の「ソフトの面」を教えていただきました。「片付けられない人」は、まずモノの住所が決まっていないことが多いようですね。
一方で、新築やリフォームの際に「ここに何をしまうか」が想定できれば、適切な収納棚や納戸をあらかじめ設置することができ、「ハードの面」から心地良くおしゃれな家にしていくことができます。
例えば、脱衣場に洗濯機をすっぽり覆い隠す収納棚を作ったり、キッチンのそばにパントリーを設け、食材のみならず冷蔵庫をまるごとしまったり。さらに、キッチンから脱衣室、家事室など家事の動線をすべてつなげてプライベートな「裏動線」を作り、生活感をLDKに出さない間取りとしたホテルライクなお住まいもあります。
家を建ててしまった後に収納のことを考えるよりも、あらかじめ何をどこに収納したいかを話し合い、事前に設計に組み込んでおくことで、使いやすく見た目も美しい仕様となります。注文住宅をお考えの方は、ハード面からのアプローチも視野に入れて、収納と間取りのことを建築士に相談してみてくださいね。
エッセンス
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