家は「建てたら終わり」ではありません。上質で自分らしい住まいを存分に楽しみ、心豊かに暮らし続けたいものです。このコーナーでは、テラジマアーキテクツで家を建てた施主の皆さんに、自宅での毎日を彩るさまざまなアイデアをそれぞれの視点から紹介いただきます。
今回のプレゼンターは…
篠崎 里美さん
ひかり造形家
LEDや有機ELを光源としたライティングオブジェのデザイン・製作をメインに活動。 また、コンサートなどの舞台美術プラン・インスタレーションの製作を手がけている。
※篠崎さんの「崎」の正しい表記の「大」は「立」となります
s_satomix712[at]nifty.com
http://akarix.art.coocan.jp/
ほのかに灯されたあかりを楽しむ
人の暮らしはサーカディアンリズムと深く関わりあいがあります。サーカディアンリズムとは、つまり体内時計。朝の光をあびて昼間に活動し、夜眠るまでのリズムを刻む遺伝子を私たちは生まれながらにして持っています。それぞれの暮らしの中で、どのようなあかりの選び方をするか、ということがとても重要です。昔は部屋全体を一灯でパッと明るくするようなあかりの使い方がメインでしたが、今は一室多灯といわれる用途に応じた複数のあかりを使い分けるスタイルが主流になりつつあります。
シーンに応じてどのあかりをどのように使うのかを考えながら部屋を演出すると、ぐっと魅力的な空間に仕上がります。私はいま夫とふたりで生活をしていますが、このライティンググオブジェのような小さな光を灯してゆったりと過ごす時間を楽しんでいます。部屋の照明はつねに明るさを求めるだけではなく、暗さを楽しむことも心地よい空間をつくる上で大切な要素のひとつです。
就寝前に心を落ち着かせるライティングオブジェ
ライフスタイルにより光の色合いや明るさは異なりますが、眠る直前までスマホを見ていたり、蛍光灯のあかりをあびているとなかなか眠れないということがありますね。本当に良い眠りにつくために、少し薄暗くした空間の低い位置にあかりのオブジェを置くこともひとつのアイデアです。このシーンでいうと、色温度の低い暖色の光がその効果をもたらせてくれます。暖色には気持ちを落ち着かせる作用もあるからです。また、温かみのある色味はこれからの季節にぴったりの演出にもなると思います。
私の作品である卵型のオブジェ「Cuore・クオレ」は未来に受け継がれる小さな命の輝きを表現しています。生き物や自然からインスピレーションをうけることも多く、作品のモチーフの原点になっています。冬の静かな夜に、心で感じる優しいあかりを楽しんでいただけましたら嬉しいです。
エッセンス
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