家は「建てたら終わり」ではありません。上質で自分らしい住まいを存分に楽しみ、心豊かに暮らし続けたいものです。このコーナーでは、テラジマアーキテクツで家を建てた施主の皆さんに、自宅での毎日を彩るさまざまなアイデアをそれぞれの視点から紹介いただきます。
日本刺繍をモダンアートに昇華
私は日本刺繍の作家として活動しています。下地ありきで縫い上げるという技術習得から日本刺繍の道に入りましたが、ワシリー・カンディンスキーやジュアン・ミロなどのアーティストに心酔し、アートが好きだった私は、今では自分でイメージしたデザインを刺繍するモダンアート作品も精力的に創作しています。
この作品「星空のシンフォニー」は人の顔をデザインし、それを抽象化して表現したものです。これを作成した頃は、刺繍で抽象の形をつくり上げる挑戦をしていました。使う糸の色も伝統的に使用される色ではなく、自分で白い糸を染めてあえてショッキングな色味の糸を使用しました。ほかにも絹糸だけでなく、毛糸や木綿糸などさまざまな糸を使うことで日本刺繍というジャンルを超えることを意識しています。もちろん歴史ある日本刺繍の品格を保つ、ということも大切にしています。
作品を直置きするという鑑賞の提案
私は季節ごとに合う自分の刺繍作品を自宅の壁に飾っています。アートというと、壁にかけるという鑑賞の仕方が一般的です。しかし、今回は提案として、あえて床にそのまま直置きにしてみました。そのまま自然に置いてあることによって、身体と画とのふれあいをより感じることができると思います。つまり、家の中で作品がただの鑑賞物として存在しているのではなく、日用品として空間に収まるのです。椅子や本と同じように、大切な生活用品のひとつになってくれます。気になったらちょっと位置を変えてもいいし、自由にどかしてもいい。生活を楽しむひとつの日用品として作品が家に溶け込んでくれます。
もし気に入った作品がご自宅にありましたら、固定して飾るという発想だけでなく、自分の動く範囲で楽しめるよう、こういうアイデアも参考になさってみてください。
※光の入り方、影の入り方によってアートは違う見え方をするというおもしろさもあるのですが、作品によっては直射日光が当たることを避けたほうがいい場合もあります。
エッセンス
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