住まいのあり方が多様化し、それぞれの価値観、ライフスタイル、またライフステージに合わせて、選択肢は広がり続けています。こうした中、「自分らしい家をつくること」の魅力を、また「自分らしい家で暮らすこと」の価値を、あらためて多くの方に知っていただきたい――そんな思いから、「More Life Lab.」は生まれました。

生き方・暮らし方を自ら定義し、つくり上げようとする人。
その価値観に賛同し、肯定したい。

上質と個性を重んじ、人生を通じてそれを謳歌したいと願う人。
その思いに寄り添い、実現を後押ししたい。

家が人に与えてくれる幸せや可能性を誰よりも信じ、住まいに対するお客さまの思いやこだわりと誰よりも深く向き合ってきた「家づくりのプロ」として。上質かつ自分らしい家で、心満たされる豊かな暮らしを送りたいと考えるすべての方に、家づくりにまつわる知識と教養をお届けします。

ロゴマークについて

「M」の右斜め上に伸びるラインが象徴するのは、「もっと自由に、自分らしく」という、住まいづくりの考え方。左下へ伸びるラインは、光と風のベクトルを表し、自然を取り入れる暮らしの心地良さを連想させます。上下に広がる造形が、「もっと自由に、自分らしく」と望む人の周りに広がる空間の存在を感じさせます。


Presented by TERAJIMA ARCHITECTS

テラジマアーキテクツは、創業以来60年にわたりデザイン住宅を手がけてきた、住宅専門の設計事務所+工務店です。
お客さまのライフスタイルに合わせたオーダーメイド住宅をつくり上げています。

東京都・神奈川県で家を建てることにご興味のある方は、下記のウェブサイトも併せてご覧ください。
建築家による設計・施工実例を多数ご紹介しています。
https://www.kenchikuka.co.jp/

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More Life
Method
[憧れ・こだわりを叶えた設計技術]

暮らしの質を高める住まいへーー2025年の住宅トレンドを振り返る

家づくりを考えるとき、どんな設備を選ぶかはとても大切です。
毎日触れるものだからこそ、そこには暮らしの質や家族の時間が自然と反映されていきます。

2025年は、住まいへの価値観が静かに、けれど確実に変化した年でした。
機能を追うというより、“心地よい時間をどうつくるか”を考える方が増え、住宅設備にもその意識が色濃く表れています。

ここでは、実際のご相談や事例を通して見えてきた最新の傾向についてご紹介します。

外と内のあいだに生まれる、新しい居場所──進化する屋外空間

近年、中庭の人気が再び高まっています。
といっても、眺めるだけの庭ではなく、過ごす場所としての価値が大きくなりました。
私たち建築家は、暮らしの中に自然に溶け込む空間となるようなご提案をする機会が多くありました。

例えば、リビングと中庭を同じ床材でつなぐと、境目がやさしく消え、空間そのものに広がりが生まれます。
また、屋根付きのテラスにすることで、天候に左右されにくく、食事や読書、ちょっとした仕事にも使える“もうひとつのリビング”のような存在になります。

お子さまのプール遊びにお湯が使えるようにしたり、軽く洗いものができる屋外シンクを設けたりと、設備への意識も実用的になりました。
外は外、内は内と分けるのではなく、両方の良さをやわらかく混ぜるような住まい方が広がっています。

屋根を伸ばしていつでも心地よく過ごせる中庭。

光との上手な付き合い方──オーニングが暮らしを整える

住まいは「光」で大きく変わります。
明るければ良いというわけではなく、強すぎれば疲れてしまうこともあります。

そこで注目されているのが、季節や時間帯に合わせて日差しを調整できるオーニングです。
必要なときだけ広げ、使わないときは静かに畳む――そんな柔軟さが暮らしに自然に寄り添います。

建ぺい率の制限で大きな庇が出せない敷地でも取り入れやすく、外で過ごす時間をやさしくサポートしてくれる設備です。
最近は屋外用家具のデザインも豊富になり、家の中と外が穏やかにつながるようになってきました。

電動オーニングが人気。夏場の強い日差しを遮り、冬にはたたんでおくなどフレキシブルに使用できる。

水の質を整えるという、小さな贅沢──全館浄水とファインバブル

全館浄水やウルトラファインバブルといった“水の質を高める設備”は、ここ数年でぐっと身近になりました。
住まいに入ってくる水を入口でまとめて処理するため、キッチンもお風呂も洗面も、すべて同じ清らかな水が流れます。

肌や髪がやさしく整ったり、衣類の痛みが減ったり、洗濯槽が清潔に保てるなど、日常の細やかな部分に静かに効いてくるのが、この設備の魅力です。

大げさな“贅沢”というより、暮らしをそっと底上げする基盤のような存在といえるかもしれません。

“暮らしを止めない”という安心──太陽光・蓄電池・EVのトライブリッド

今年も災害のニュースが絶えない一年でした。そんななか、住まいに“自分たちを守る力”を求める方が増えています。太陽光、蓄電池、EV(車)を組み合わせたトライブリッドシステムは、そのひとつの答えです。

屋根で作った電気を蓄え、必要なときには車から家へ戻す。この仕組みによって、停電時でも冷蔵庫や空調を保つことができるようになります。

もちろん、これは非常時だけの設備ではありません。日ごろのエネルギー利用を賢く整えることで、暮らし全体にゆとりと安心を生み出します。

太陽光設備のニーズは高まっています。災害時の対策として大きな安心につながります。

キッチンは“作業の場所”から“暮らしの中心”へ

キッチンを整えることは、暮らしを整えることに近いのかもしれません。

2025年は、家電をできるだけ見せず、空間の中に静かに溶け込ませるデザインが多く選ばれました。
面材と一体化した冷蔵庫や、カウンターから静かに立ち上がるレンジフードは、キッチンの存在感をやわらげ、リビングとの調和を生み出します。

一方で、調理のスタイルに合わせてIHとガスを両方備えたり、鉄板焼きを組み込んだりと、「自分たちにとって心地よい台所の姿」を追求する方も増えました。

キッチンは料理をするだけの場所ではなく、”家族の交流・文化の中心”のような場所へと変わりつつあります。

すっきりと納められたキッチンのバックセット。家電の存在感を和らげる一体感のあるデザインが人気。

好きなことを深く味わえる場所を──防音室と趣味空間

住まいの中に“集中できる場所”があるだけで、暮らしは驚くほど豊かになります。

楽器を演奏したり、映画を楽しんだり、ゴルフの練習をしたり。防音室やシミュレーターのような設備は、自分の趣味を周囲に気兼ねなく楽しむための環境をつくってくれます。

趣味のための空間というと贅沢に聞こえるかもしれませんが、実際には「自分の時間を大切にする住まい」をつくるための、とても理にかなった選択です。

地下室に設けた趣味室に、ゴルフシミュレーターとドラムセット。家族のもう一つの居場所に。

おわりに──設備選びは“どう暮らしたいか”を描く時間

設備は単なる機能ではなく、“これからどんな時間を積み重ねたいか”という思いを形にするものです。

見栄えや流行で決める必要はありません。あなたの暮らしに寄り添い、無理なく長く使えるものを選ぶことが、結果的に住まいの価値を高めてくれます。

この記事が、これからの住まいを考えるうえでヒントのひとつになればうれしく思います。

建築家 柴原 尚子・橋井 慶

高級注文住宅・リノベーション・商業建築などを手掛ける、テラジマアーキテクツの建築家。日々多くのお客様の家づくりに向き合いながら、住まいがもたらす“時間の質”を大切にした設計を探求しています。
ご家族それぞれの暮らし方を丁寧に読み解き、空間や設備を通してより心地よい住環境をご提案しています。

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