家は「建てたら終わり」ではありません。上質で自分らしい住まいを存分に楽しみ、心豊かに暮らし続けたいものです。このコーナーでは、テラジマアーキテクツで家を建てた施主の皆さんに、自宅での毎日を彩るさまざまなアイデアをそれぞれの視点から紹介いただきます。
今回のプレゼンターは…
宮澤 奈々さん
料理研究家
パリ商工会議所、懐石料理屋主催の料理教室アシスタントやレストラン勤務等を経て、和・洋・中・エスニック、スイーツなど幅広いジャンルの料理に精通。自宅のキッチンスタジオにて会員制料理教室C'estTrèsBon(セトレボン)を主宰。その他、各マスメディアへの出演やイベントでの外部講師、器やキッチンのプロデュースなどを務める。
http://nanamiyazawa.com/
お弁当箱を開ける楽しみ
今回は春にピッタリなおもてなしアイデアをご紹介したいと思います。それは「お弁当」です。行楽シーズン、うららかな陽気の中で、みんなで一緒にお弁当を食べる時間は楽しいものですよね。その楽しさは、家の中であっても同じです。
おもてなしに「お弁当」を取り入れたスタイルは、実はとてもおすすめです。みんなが集まっている最中に、ホストが慌ただしく立ち座りしなくていいのですから。事前にお料理をお弁当箱に詰め、準備しておけばいいので、ゆっくりゲストのみなさんとお話ができます。また、もうひとつの良さとしては「開ける楽しみ」があるということです。お弁当箱はまさに玉手箱。蓋を開ける瞬間は、みなさん顔がほころびます。持ち歩く前提のお弁当ではないので、型崩れを気にすること無く仕上げられるということも、作り手としては嬉しいポイントです。
テーブルコーディネートは、春らしいピンクの色をアクセントとして使用しています。ナプキンにはさりげなく桜の刺繍を施してあります。料理にも春らしい色を取り入れているので、食器類などは落ち着いた色味で揃えています。
春らしい華やかな色味が映えるお料理
お弁当箱の蓋を開けるとまず目に飛び込んでくるのが、桜えびご飯です。これは物相型で桜の型抜きを施しています。そして下の段はおかずを多種、バランスよく詰めました。卵焼きは蝶々の形に仕上げたほか、桜の葉を使い、桜もちを模したシュウマイ、自家栽培たけのこの煮物、里芋と海老の黄身煮など、どのおかずも春らしさを意識しています。このお弁当箱の蓋はお椀になるよう設計されているので、椀の中にはまぐりの飯蒸しを入れ、その上からあんかけをかけました。冷めても美味しいのがお弁当の良さではありますが、せっかくなのであたたかいものもお出ししましょう。にんじんを桜の五弁に型抜きしたり、桜の塩漬けを添えたり、百合根を桜の花びらのようにカットして蒸し、色付けしたものをアクセントで散りばめると、作り手の心遣いがより料理の中にあらわれます。
のどかな晩春のひとときを、ぜひお弁当で楽しんでいただきたいです。
―本日のお品書きー
チーズの醤油漬け
鯛そぼろと春野菜の和えもの
そぼろ卵 桜おろし
いんげんの肉巻き
桜しゅうまい
里芋とエビの黄身煮
茗荷甘酢漬け
自家製筍煮物
手毬麩
桜エビご飯
蛤飯蒸し
春の練り切り
——
今回使用しているお弁当箱「TAMATEBAKO」は2019年秋頃発売予定。
お問い合わせ・詳細は宮澤奈々さんのウェブサイトまでお願いいたします。
エッセンス
-
クリスマスパーティを思い出深くする3つのポイント
お子さまがいらっしゃるご家庭で、機会の多いパーティといえばお誕生日とクリスマスではないでしょうか。どんなパーティでも、お家に人を呼ぶとな...
-
暮らしを彩る 美しく住むための清掃術 そうじに追われないコツ
部屋をクリーンな状態に保って暮らしの質を上げていくためには、整理収納と適切な掃除の両方が大切です。しかし、忙しいとつい溜めてしまいがちな...
-
暮らしを彩る 美しく住むための整理術2 きれいな部屋をキープするコツ
苦手と自称する方の多い家事として良く挙げられる「掃除・片付け」。キレイな空間を維持するにはコツがあります。今回は
-
暮らしを彩る 美しく住むための整理術1 片付けのしくみを作る
苦手と自称する方の多い家事として良く挙げられる「掃除・片付け」。キレイな空間を維持するにはコツがあります。今回は片付けのルール作りをテー...
-
暮らしを彩る テーブルはシックに、お料理は華やかに。クリスマスのおもてなし。
パーティの機会が多くなるクリスマス。楽しく、そして少しラクになるおもてなしのコツをお教えします。
-
暮らしを彩る カジュアルな夏料理を愉しむおもてなし
外出は最小限に、家で家族と過ごす生活が続いていませんか。そこで今回のテーマは「家族で楽しむ夏レシピ」。親しみのあるお料理をアレンジして特...
-
暮らしを彩る 今でも現役で活躍中。井戸のある暮らし
家に井戸がある、というお宅はどれくらいいらっしゃるでしょうか。今回は井戸水を暮らしに取り入れた実例をご紹介します。
-
暮らしを彩る 間接照明で心地よい陰影を楽しむ方法
今回はひかり造形家・篠崎里美さんがナビゲーター。光だけでなく、陰影によってさらに心地よい空間を提案しています。
-
暮らしを彩る 残る価値があるものは捨てない 桐箪笥の活用法
お宅で眠っている古い家具はありませんか? 本当に価値のあるものはしっかりと残し、受け継いでいきましょう。
-
暮らしを彩る 今日から始める ぬか床のある暮らし
ぬか床を育てるというと難しそうに聞こえますが、実は材料も作り方もとってもシンプル。この春から始めてみませんか?