2019年6月8日、イタリアのデザイン家具メーカーであるFLEXFORMのショールーム・FLEXFORM TOKYOにて、建築家・深澤彰司による家づくりセミナーが開催されました。
事前申込をされたご来場のみなさまはブランドを代表するソファやチェアに実際に座り、エレガントでモダンな空間のなかで深澤の話に耳を傾けてくださいました。今回は「自分らしい住まいのつくり方」をテーマに行われたイベントレポートをお届けします。
自分らしさの引き出し方
「自分らしさ」というものは人それぞれお持ちだと思います。しかし、それを言語化するとなるとなかなか難しいことです。改めて自分自身の「らしさ」や「個性」を考えようとしても、なかなか自信を持って答えられるものではありません。
しかし、テラジマアーキテクツの手がける物件は、どれも住む人それぞれにとっての「自分らしさ」が存在しています。では、住まいに求める「自分らしさ」とは、一体何のことなのだろうか。そして、それはどうやって伝えたらいいのだろうか。その疑問を解決すべく、実際にあったテラジマアーキテクツでの家づくりの流れやストーリーから、自分らしさの引き出し方を考えます。
小さな要望に耳を傾ける
テラジマアーキテクツではお客様が来社された際、まずコンサルタントがヒアリングを行います。実はこのときのお客様の小さな要望や意見、こだわりのなかに「自分らしさ」のヒントが隠れていることが多いのです。本セミナーでは深澤が実際の案件を例に、「自分らしさ」を導き出していきました。
たとえば、実際にヒアリングをした際に「とにかく人を招くことが大好き」というご夫婦がいらっしゃったケース。ほかにも、「近隣を気にして過ごしたくない」「来客が来た際に家族に気を使わせたくない」などさまざまな要望がありましたが、このご夫婦の場合、「とにかく人を招くこと大好き」という部分が「自分らしさ」に当たると判断。ポイントは、マイナス面を解消する要望ではなく、憧れの暮らしを拾い上げることです。
能動的モチベーションが自分らしさにつながる
家を建てると決まった時、お客様の要望として挙がりやすいのは、リビングが狭いから広くしたい、子どもが増えて部屋数が足りないから増やしたい、などの「現状の不満をなんとかしてほしい」という内容です。しかし、現状の不便を解決したら自分らしい暮らしができるかというと、そうではありません。
実際にテラジマアーキテクツが考える「自分らしい住まい」とは、「こうしたい」「ああしたい」という能動的なモチベーションから得られるものです。それを突き詰めていくことで、「自分らしさ」の答えに近づくのではないでしょうか。それはもしかしたらなかなか人に伝えづらいことかもしれません。何から話していいのかわからないという方も多くいらっしゃるなかで、深澤は最後にこう会場に語りかけました。
“自分のなかでここまで言っていいのだろうかという線引きをすることなく、正直になんでもお話いただきたいと思っています。それが注文住宅の根本のあり方だと思うのです。”
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